- 作者は「鋼の錬金術師」「黄泉のツガイ」「百姓貴族」などで有名な、荒川弘先生。
- 小学館の少年サンデーに連載されていて、全14巻にて完結。
- マンガ大賞2012受賞作品。アニメ・実写映画化もされた名作。
非農家の子で、農業に関わったことがない八軒勇吾が北海道の農業高校に入学。
八軒君が理不尽な農筋学校で、勉強に、部活に、恋に、農業実習に打ち込み、
成長していく姿が描かれています。
中学では進学校に通っていた八軒君は、普通校と農業高校のギャップに悩みますが、
コミカルに描かれているためついつい笑ってしまいます。
目標も無く入学した彼が、卒業する頃には夢に向かって頑張っていてとても格好良い。
子供にも読ませたい作品ですが、大人も是非読んで欲しい。
誰の夢も否定しない
将来の目標や夢などないまま入学した農業高校。
将来の進路・夢の希望が決まっている友達が多い中、八軒君は大いに悩みます。
そんな中、
夢を挫折せざるを得なかった友達、
親の希望に沿うため夢を諦めようとする友達など、
彼らと関わり、心配し、どうにかできないかと悩み苦しみます。
生活に困らない…、参加した人が個性を持ったまま集団化できる…、そんな農業。
そんな考えを持った八軒君の起こした行動は…?
大人でもなかなかできないことですし、行動力がすごい!
作中は情けないシーンが多いですが、成長した八軒君がかっこいい。
農業高校の生活(家畜の奴隷?)
農業高校では、畜産学・食品製造・農業経営など農業高校ならではの科目があったり、
農業実習があったり、農業に関わりがないひとにとっては、未知の世界です。
少しネタバレになりますが…。
作中に、1年生が寮生活をしながら、朝夕に動物の世話をする家畜当番実習というのがあります。
動物を扱う畜産実習のため、交代ではありますが毎日世話をする必要があるのですが…。
家畜の奴隷にでもなったかのように、無償で働かされる理不尽学校。
さらに部活に入部が必須な上、部活で使う動物の世話も毎日することになり、とても忙しい生活を送ることになります。
友達と協力しあい、そんな大変な毎日を乗り越えていくのですが、もちろん大変なことばかりではありません。
可愛い動物、
新鮮で美味しい食べもの、
友達との楽しいやり取り、
農業高校で過ごす若者の生活を体験した気分になれるマンガです。
食べ物の大切さを知れる
農業高校が舞台であることから、新鮮な野菜・肉・卵・乳製品などが出てきます。
それらを使った料理がとても美味しそう。
歓喜して食している八軒君達の姿を見ると、間違いなく美味しいであろうことが伝わります。
しかし、ただ美味しそうなだけではありません。
実習では、豚を小さい頃から育て、育ったら殺して解体し、食用の肉とするのです。
八軒君は可愛がって育てた豚を殺すことを悩み、葛藤します。
食べるために殺すという行為の必要性…。
食育のためにも子供に読ませたいマンガです。