世界を学べるマンガ「紛争でしたら八田まで」

マンガ紹介
  • 作者は田素弘先生。
  • 講談社のモーニングに連載中。
  • 単行本は現在12巻まで刊行されています。

 歴史・宗教・政治・経済・軍事・語学・etc、のチセイを頭に詰め込んだ、

地政学リスクコンサルタントの八田百合が主人公。

 その八田が、チセイとプロレス技を武器に世界を駆け回って、痛快にトラブルを解決する漫画です。

世界中を交渉して回る解決屋さん

 この作品の魅力はまずなんと言っても、

色々な国の情勢や、民族・宗教・異文化ならではの考え方・価値観など、

海外旅行に行かずとも色々知ることができること。

 特に、最近の世界情勢の変化によって、その国の受けた影響や生じている問題等、

国ごとの現状をマンガでわかりやすく知ることが出来ます

・EUから離脱した後のイギリス、

・クリミア危機後のウクライナ、

・経済制裁再発動後のイランなどなど、

テレビや新聞だけでは手に入らない生の世界情報を得られます

 各国で起こる様々な問題・紛争を、地政学にとらえ解決策を探っていくストーリーも面白く、

楽しみながら世界を学べる最高のマンガです。

華麗なプロレス技

 八田の行くところは荒事も多く、対話・交渉だけで問題解決できるとは限りません。

「交渉と武力はワンセット」

          紛争でしたら八田まで 第1巻 第2話ミャンマー企業紛争より

 ということもあり、武力がないと交渉さえできないことがあるのが国際常識

 八田の、交渉とプロレス技の合わせ技で、トラブル解決する姿は読者をスカっとさせます。

 銃を持ったゲリラ相手でも怯まない、八田の華麗な技は必見です。

説得力ある言葉がたくさん

 名言の多いマンガです。

異なる個性が集まれば衝突は必然

  衝突することで問題が現れ対処しながら前に進む

紛争でしたら八田まで 第10巻 第86話 カナダ、みんな違ってみんないいしみんな悪い より

誰もが納得する解決なんて

  都合良いモノは絶対ないからね」

交渉 妥協 合意を絶えず繰り返す

  そうして進むのが多文化主義国家カナダよ」

紛争でしたら八田まで 第10巻 第87話 カナダ、みんな違ってみんないいしみんな悪い より

 多様性の受け入れが声高に言われている昨今、そうだよなあと考えさせられる言葉でした。

 多数の人間が集まれば意見の衝突は当然のこと。

 一方の意見を受け入れるだけでなく、他方面からの意見、そして自分の意見を尊重して、交渉・合意をする。

 そしてそれをずっと繰り返していく…。

 他者を受け入れるだけでは多様性ではないと、気付かされます。

 その他にも、ふむふむと思わせるセリフが多いので、ぜひご一読ください。

 

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